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レポート


「女人高野室生寺ハイキング」レポート

近鉄鶴橋駅から急行を使っておよそ1時間で近鉄室生寺口大野駅に着く。

改札を出る際、近鉄が発行している手書きの地図に基点からの距離や道の状態などの細かな情報が入っていてとても役に立つハイキング用のガイドマップ「てくてくまっぷ」が置いてあるのでもらっておきましょう。

改札を出て階段を下り、バス停やタクシー乗り場のある広場を突っ切ってまっすぐ進み、道路に入る。と、すぐに左に村役場があり、その道を5分も歩かないうちに大野寺のバス停に着く。ここはちょうど川が大きく蛇行しているところで、対岸に彫られた高さ14メートルの弥勒磨崖仏を見られる川辺がトイレや駐車場も備わった公園になっている。その横が古寺の趣を感じさせる名刹「大野寺」がある。


「大野寺」は室生寺の西門ともいわれ、枝垂れ桜をはじめ多くの草花で彩られている。大野寺と川に挟まれた道を行き、室生ダムに伸びる道を作っているのだろう工事をしている三叉路に出る。「室生寺」の標識に従って左に折れ、「室生寺橋」という朱塗りの橋を渡ると上り坂になる。坂の上が三叉路になっていて、「室生寺」方向と「室生ダム」方向に分かれている。左に曲がり、もう少しの上り坂。広い路肩のある道を下ると「一乃渡橋」があり、それを渡った右側が東海自然歩道の入り口で、大きな木の案内板があるが歩いてきた方向からは案内板の裏側しか見えない。

小川と併走している東海自然歩道の杉木立の中を歩く。天気がいい日が続いているはずだが、水が歩道にも染み出している。足元に気を配りながらほとんど傾斜を感じさせない道を軽快に上る。橋を何度か渡り、川の流れを右に左にと変えながらしていくうちに徐々に上り坂らしくなり、傾斜がいよいよきつくなるところくらいから石畳が始まる。この石畳は大小の石を並べた間をコンクリートでつないだ人工的なもの。人のよく歩くはずの道にしてはコケの生えている石が多い。石畳の全体にコケが生えているようなところもある。不思議に思いながら石畳を歩いているうちに理由がわかった。染み出した水がコンクリートがあるせいで下に染込まないで常に石畳の表面を濡らしていてとにかくよく滑る。だから石の端の角のあるところにしか足を置けない。上りでこんなに滑るなら、下りはしんどいだろうなと思う間も無く、ご老人の団体さんが悲鳴とも取れる声を上げながら降りてきた。必死で道端の木や草につかまったり、腰を落として滑り降りてくる人もいる。こんなに滑っては怪我人が出てもおかしくない。この道(東海自然歩道)を管理しているところは、安全を考えて石畳をやめるか、石畳に溝を入れるかして滑らない手立てを至急すべき必要がある。

つるつるの石畳をやっと抜けて、やっと峠に出る。下りは川がないこともあって道が濡れていない。九十九折の道を下っていけば、急に林の中を抜けて平地に出る。工事の土砂でぬかるんだ道を標識に従ってまっすぐに進むと石畳の道を下ることになる。民家の間を抜けて、突き当りの三叉路を左に折れてすぐに東海自然歩道の標識の指示通り右に行く。また民家の間の道を通るが、ざわめきが聞こえるとすぐに室生寺の前にかかる太鼓橋の前に出る。
太鼓橋を渡って右に折れると紅葉の木々の向こうに室生寺の入り口がある。真言宗の寺でありながらも古くから女性の出入りを認めていたので「女人高野」と呼ばれる室生寺。拝観料500円を払って境内に入る。暖冬のせいで紅葉の色付きはもうひとつながら、雰囲気的には申し分ない。仁王門をくぐり、バン字池の横の階段を登り国宝の金堂を観る。重文や国宝の仏像が多数鎮座しているが人が多いためにゆっくり見ることは出来なかった。それから重文の弥勒堂、国宝の灌頂堂(本堂)をまわり、さらに一階段登って国宝の五重塔に。平成10年の台風で五重塔横の大杉が倒れ屋根が破損したが、全国からの寄付で修復された。立派だが威圧感はなく、美しい。その横の階段を登ってさらに進むと奥の院への長い石段が待っている。気楽に紅葉狩りに来た観光客の人たちはかなりきつい思いをすることになる。それでも大勢の人が数珠つながりで上り、そして下りて来る。階段を上りきったところには奥の院「御影堂」と数人が入れるだけの休憩所を併設した社務所があるだけ。周りを木々が取り囲んでいるので眺望がいいというわけでもないので、みんなすぐに階段を下っていく。

 

太鼓橋まで戻ると土産物屋が並ぶ通りに大勢の人が行き交うのが見える。通りを右に行けばバス停の方で、左に行くと「竜穴神社」方面で、先の三叉路を右に曲がれば桜で有名な「西光寺」に出る。そのまま行けば「仏隆寺」へと続く。が、今回は紅葉狩りをすべ区バス停の方向に向かい、室生川の川岸の岸壁に紅葉を探してバス道を歩いて帰ることにする。

土産物屋が続く道をしばらく行くと土産物屋が途切れて今度は町営の駐車場が続くことになる。弘法大師が湧かせたという「弘法の泉」の石碑を過ぎればもう観光客の姿は見えない。慌ただしく車が行き交うだけ。橋を渡りながら室生川の静かな流れと杉林の中に所々見える色づきかけの紅葉や黄葉を見ると、のどかな気分になれる。橋を渡りきり、カーブを曲がると幅の広い歩道が川側に作られている。こんな立派な歩道が作られているのなら、やはりここを歩く人も多いのだろうかとも思ったが、車やバスに乗っている人以外見ない。どうやら鮎釣りのシーズンの釣り客のための歩道らしい。唯一、トンネルのところで歩道が迂回しているが、そこに車を乗り入れて、一人でバーベキューをしているおじさんにあっただけ。1時間程で東海自然歩道の入り口にたどり着いた。徐々に日が暮れ行く時間帯になり、山の陰に太陽が隠れてしまう。山の中での日の入りは早い。薄暗くなっていく中、大野寺を通り、駅へと少し歩を早めて戻った。






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