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レポート


ウォーキングガイド「柳生街道(滝坂の道)」

みなさんはゴールデンウィークをどう過ごしましたか?雨もありましたが、割と行楽日和の日が続きましたね。ただ暑かった。ゴールデンウィークの家族孝行とこの暑さで早くも夏バテという人も多いかもしれませんね。


ゴールデンウィークの後半は奈良駅前から柳生の里に向かう柳生街道の西半分の滝坂の道といわれる古道を歩くことにしました。
今回はハイキングのガイド書に加え、近鉄電車の「ぶらり沿線散歩」という駅においてあるパンフレットを参考にして歩くことにしました。結構、名所の説明も載っています。
近鉄奈良駅に着くと、さすがゴールデンウィーク、人、人、人でいっぱい。その人たちのお目当てのひとつは世界遺産「東大寺」の御本尊「盧舎那仏」(一般には「奈良の大仏さん」)の開眼1250年記念として奈良国立博物館で行われている「東大寺のすべて」らしく、チラシを手にした人が足早に駅を出て行きます。出店される仏像や宝物250点の内、国宝や重要文化財になっているものが110点とすごい内容らしいので、この人気にも素直に納得してしまいますね。
駅を出てそのまま東に進んで、世界遺産「興福寺」の鹿と仲良く遊んでいる人たちを見ながら歩いていくと、県庁前を過ぎた辺りから人の流れが東大寺とは反対方向に流れます。みんなが向かうのはやはり奈良国立博物館。まだ十時前なのにすでに行列が。
 
春日大社の参道の林の中に入ると、すぐそばを車が走っていて、車の音も聞こえてはいるのに、なぜか静寂を感じます。徐々に春日大社に近づくにつれ、静寂が深まっていきますが、ここもさすがに世界遺産に指定されているところだけあって、大勢の観光客が来ていました。鳥居をくぐり、石段を登って本殿に。この日ちょうど舞の奉納があり、人垣の隙間から少しだけ見て取れました。春日大社は季節ごとのイベントも多いようで、それを楽しみに着ている人も大勢います。参拝も手短にまた鳥居のところに戻り、左に曲がり柳生街道を目指します。

春日大社の敷地内の林を抜け、庭木の手入れも行き届いた閑静な民家の並ぶなだらかな坂を登っていくと、いつの間にか民家も消え、山の入口に出てしまいました。「柳生街道」の標識があり、いよいよハイキングの始まりです。
「滝坂の道」といわれる柳生街道の西側、特に始めの方は川に沿った道なので、その呼ばれ方もわかります。
本当ならばきれいに石が組まれた石畳の道なのでしょうが、川や雨の後の湧き水で泥に石畳が埋もれてしまっているところが随分あります。
川のせせらぎの音が強くなってくると、それは坂が急になってきているということ。
小さな子供を連れた人たちが何度も立ち止まりながら登っていきます。
最初のきつい登りを終えてすぐにあるのが「寝仏」。
もともとは縦だったものを倒したのか、それとも後で起こすつもりだったのかわかりませんが、なぜか仏さんが横向きに彫られています。
街道に見えているのとは反対側なので、立て札を読んでもこの仏さんに気づかずに行ってしまう人も多いかもしれません。その後すぐにあるのが、赤味がかった石に彫られた「夕日観音」。たぶん夕日に照らされて赤くなったように感じられるのでそんな名前になったんだと思うんですが、この後に出てくる観音より西にあるから夕日観音、ではないと思います。
 
そのまま上り坂を歩く。林の中の道から少し開けたところに次の観音さんが立っています。一枚の岩に三体並んで彫られた観音さんは「朝日観音」といわれています。先の夕日観音とは違い名前にふさわしく明るい白っぽい岩です。どちらも鎌倉時代の作らしいです。800年以上も峠を行きかう人を見守り続けてきているんですね。
そこを過ぎるとだんだんと登りがきつくなってきます。というよりきつく感じてきたのかも?
そう思って歩いているといきなり道が開けて、明るい広場にたどり着きました。ここが「首切地蔵」。
休憩所もあり、大勢の人が汗をたっぷりかいた体を休めていました。
 
またここは峠の茶屋に向かう二本の道の分岐点にもなっていて、石切峠にある峠の茶屋までの近道の北側の道を行くか、地獄谷石窟仏のある南側の道をとるかの思案のしどころ。
汗がひくのを待ちながら、皆さん考えているんでしょう。
そんな分岐点の南側に首切り地蔵は立っています。
その名の通り頭の部分と胴体の部分が切れているのがはっきりわかるお地蔵さんで、柳生道場の帰りに荒木又右衛門が試し切りをしたという伝説がありますが、本当にそんな罰当たりなことをしたんでしょうかね?もし、刀で切れたらの話ですけど。
人が多かったので、ゆっくり休んでいたら前が渋滞してしまうかもしれないので、すぐに出発。迷った結果、北側の道を行くことにしました。

道は林に入り、上り坂が続きます。坂を上り詰めたところが舗装道路になっていて(奈良奥山ドライブウェイ)、目の前の矢印に従って柳生の里方面に向かいます。
しばらく舗装道を歩いて、また林の中に入ると、ここからが一番つらい登り。首切り地蔵の休憩所でもっとゆっくり休んできた方が良かったかも、などと考えながら歩き続けても仕方ありません。ウグイスの声や花をつけた野草などを楽しみながら歩きます。
首切り地蔵から40分ほどで、峠の茶屋に到着しました。南側の道を歩いてくると1時間は以上かかってしまうのに、ずいぶん早く着いてしまいました。
茶屋に入って昼食にします。
茶屋では、草もちや生姜湯などイメージ通りのものも売っていますが、早く着いた事もあり、軽く缶ビールでのどを潤します。そして懐かしい味のするワラビもち、それから薄味のおいしいそばをいただきました。
食べ終わったころに、首切り地蔵のところで出会った人たちが次々に到着してきます。その人たちに席を譲って峠を東に下って行きます。
石切峠からは急な下りでもなく、軽快に歩いていけます。
突然両側が山だった道の南側の山が消え、斜面に茶畑が広がっていました。

隣の山の斜面の緑が麓の方まで伸び、谷間からはるか遠くの山を見渡せる、今回一番の景勝ポイントで、絵を描いているおじいちゃんもいました。

そこを過ぎてしばらくすると、緩やかな登りが始まりますが、あまりしんどくならないうちに、奈良交通のバス停の標識が出てきて、すぐに円城寺口のバス停にたどり着きました。

バスの来る時間を確認してから、円城寺に向かうことにしましたが、円城寺口のバス停なのに円城寺は見えません。途中道端で野菜や草もちを売っている人に道を尋ねました。
円城寺はこの山里の片隅にあるお寺なのに、国宝や重要文化財がいっぱいある、この街道で一番の名所です。
山門で入場料を払い、中へ。
まずは重要文化財の「本堂」へ参ります。
本堂の中に入り、重要文化財の本尊阿弥陀如来坐像を一周して中を見られるのですが、その中にある「四天王」もまた重要文化財。
本堂の正面の「桜門」もまた重要文化財。
 
本殿東側には小さな社が二つ並んでいますが、これが国宝の「春日堂・白山堂」。
その東に重要文化財の「宇賀神本殿」があります。
 
本殿の西、朱塗りの新しい建物は多宝塔で、運慶の若いころの作と言われる国宝の大日如来坐像が収められています。
 
山門を出ると前に池があり、その池を中心にして落ち着いた感じの優雅な庭が広がっています。バスの時間までこの庭を探索して、今日の柳生街道・滝坂の道のハイキングは終わりです。






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